役員は報酬(給与)をもらうことができる?

役員は報酬(給与)をもらうことができる?

報酬(給与)をもらうことはできます。
ただし、もらうことができる役職や人数には制限があります。

では、誰がもらうことができるのか?

NPO法による決まりとしては、
「役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること」となっています。

「役員」とは、理事と監事のことなので、
理事・監事を合わせた総数の3分の1以下の人数が役員報酬を受けられるということになります。

具体的な例

役員総数(理事・監事の合計数)が
4名~5名の場合・・・役員報酬を受けられる人数は1名
6名~8名の場合・・・役員報酬を受けられる人数は2名
9名~11名の場合・・・役員報酬を受けられる人数は3名
・・・となります。

ここまでは、一般的な説明ですが、実際のところ、よくわからない方も多いと思います。

長くなってしまいますが、より詳細な情報をお伝えしようと思います。

「報酬」と「給与」の違い

「給与」のほうは、割と分かりやすいと思います。

給与は、サラリーマンの方たちの「給与」と同じで、
NPO法人の場合は、法人の職員(従業員・スタッフなど呼び方は様々ですが、ここでは同じものとして考えてください)がもらう、月給や時給などのことです。

時給の場合を考えていただくと分かり易いかと思いますが、「給与」は労働の対価という性格があります。

一方、「報酬」は、役員(理事や監事のことです)に対して支払われるお金です。

「給与」が労働の対価なのに対して、「報酬」はその役職に就いていることの対価という性格があります。

極端に言うと、理事が全く働かなくても、理事という役職にあるというだけで報酬は支払われます。

ここまでのまとめ

  • 理事・監事は役員として「報酬」を受けることができます。
  • ただし、理事・監事の総数の3分の1以下の人数しか報酬を受けることができません。

役員の総数が4名の法人の場合、
役員のうち、1名が報酬を受けることができ、残り3名は無報酬となってしまいます。

では、無報酬になってしまう3名の人はどうしたら良いのか?

無報酬になってしまう役員は、「報酬」を受けることはできないけど「給与」としてお金を受けることはできるのです。

役員は、役員としての立場なら「報酬」を受けることが出来ます。

しかし、役員であっても法人の事務をしたりして働くのであれば、役員報酬は受けられなくても、労働者としての「給与」をもらうことはできます。

  • 例)理事兼経理担当など

役員の総数が4名の法人の場合でいうと、1名まで役員報酬を受けることができます。そして他の理事は給与としてもらうことができます。

理事長A・・役員報酬
理事B・・・給与
理事C・・・給与

こうすれば、理事は全員何らかのお金(報酬、給与と名目は違いますが)を法人から受けることは可能になります。

ただし、理事長・副理事長・代表理事・副代表理事など「長」「代表」の付く役職の人は、役員報酬としてしか受けることはできず、給与として受けることはできません。
また同様に、監事も、役員報酬としてしか受けることはできず、給与として受けることはできません。
「役員兼労働者」とみなされるのは、いわゆる「平理事」だけですので、ご注意ください。

つまり、先ほどの例でいうと以下のようになります。
理事長A・・報酬
理事B・・・給与
理事C・・・給与
監事D・・・無報酬(給与もダメ)

役員総数は4名ですから、報酬を受けられるのは1名だけ。
理事長と監事は役員報酬だけしか受けられず、給与はもらえませんから、理事長と監事のうちどちらかが報酬を受けるとすると、どちらかは受けられません。
もし、全員が報酬か給与を受けるようにしたい場合は、役員総数を6名以上に増やすしかありません。

役員総数が6名以上であれば、報酬を受けられる人数は2名です。(給与を得られる人数に制限はありません)

つまり、以下のように、理事・監事は報酬を、他の平理事は給与をもらうことができます。
理事長A・・報酬
理事B・・・給与
理事C・・・給与
理事D・・・給与
理事E・・・給与
監事F・・・報酬

ただし、次の2点はご注意ください。
・例えば、理事Bが副理事長などの役職となってしまうと、給与は受けられず、報酬しか受けられなくなってしまいます。すると報酬を受けられる人数を超えてしまいます。特に必要ないのであれば、副理事長は置かないほうが報酬・給与を受けられる人数は増えます。
・平理事であっても、全く働かない名誉職的な人は、労働者としての給与は受けられないのでご注意ください。
ちなみに、名誉職的な人であれば、理事ではなく「顧問」としてはいかがでしょうか?顧問は役員ではないので、報酬を受ける人数の制限もありません。

まとめ

  • 理事・監事は役員として「報酬」を受けることができます。
  • ただし、理事・監事の総数の3分の1以下の人数しか報酬を受けることができません。
  • 代表者(理事長など)、副代表(副理事長など)、監事は「報酬」しか受けれれません。(給与はダメ)
  • それ以外の「平理事」は、報酬はダメでも「給与」を受けることは可能です。
  • NPO法人の役員最低人数(理事3名、監事1名)の場合、理事長か監事のどちらかは無報酬になります。
  • 役員全員が給与か報酬を受けるようにするには、理事5名以上、監事1名の計6名以上にする必要があります。
    (ただし、総数が6名でも監事を2名以上にしてしまうと、全員はもらえなくなってしまいます)


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